2013年2月4日月曜日

和の香りの歴史【伍】

節分でしたね~。もう、年齢の分
なんて頂けません!!!(笑)

いたるところで恵方巻き。これを
初めて見たのは、もう随分と前の
大阪出張時。以前、VERSACEと
いうブランドでプレスをやって
いた頃です。それについては、
また、改めまして。

お昼に近所のお蕎麦屋さんの前を
通った際に目に入ったポスター。
思わず、「何ですか、これ~?」
って大笑いをしたのですが・・・。

今では、もう、すっかり関東でも
習慣となったようで。
びっくりしたのは、クリスマス終了
時点でコンビニに恵方巻きポスター
が貼られたこと。
いやいや。その前にお正月だよって。

さて、ようやくブログを書く気合も
入ってまいりました。歴史の続きです。

前回、室町時代についてでした。
前半の南北朝時代のことが色濃く、
東山文化の頃についてはあまりなの
ですが、このまま、いよいよスター
軍団ぞろぞろな戦国~安土桃山時代
へと突入です。

下克上荒々しく、そして、信長が
日本を平定したことで、有名な
東大寺正倉院の蘭奢待も登場です。
香木としては伽羅に分類されます。
詳しくは、また、今度に。
ここで書いていくと、歴史の話が~。

室町時代に続き、香木を薫き、楽し
んだり、衣装に香りを移したりも
しております。

武将クラスになると、戦の前の昂ぶりを
抑えるために、沈香を薫き、その香りで
気持ちを落ち着け、戦に臨んだりもした
と言われています。

自分の判断一つで城はなくなり、命も
落とす。大変な時代です。

そんな武将の奥方様は、自分の主人の
兜に香りを移し。
これは、万が一、首を取られた時に
見苦しくないようにするためだった
と・・・。
実際、これは絵でも残っておりまして、
以前、藝大美術館で香りの展覧会が
あった際に、展示されておりました。

歴史好きなもので、この時の気持ちは、
とか色々と思いを巡らしてしまいます。

なぜ、沈香かと言うと、香りがよいと
いうのはもちろんだと思いますが、
どうも沈香の香りは血圧を下げる
ことがあるらしく。

医学的に証明がなされていないので、
効果があるとは言い切れません。

ただ、講座などで沢山を一度に聞いて
頂いていると、講師のこちらがクラクラ
してきてしまうことが、実はあります。

勢い余る気持ちを、香りとともに鎮めて
いたのでしょうね。

中東では、あの白いロングドレスの
ような男性の衣装に、毎朝、奥様が
乳香を薫き、香りを移しているそう
ですね。最近は、多少、香りの好み
も変わってきているのでしょうか、
乳香に香水をしみこませたような
ものも使用されたりしているよう
です。

日本でも、また、香りを移す習慣が
戻ってほしいなって思います。

匂い袋がクローゼットに入っている、
ポケットに忍ばせているだけでも、
随分と違うと思うのですよね~。

そういう男性はステキです!
そして、それに気づいている女性は
ワンクラス上のお洒落がわかって
いる!な~んて思ってしまいます。

さて、また本題に戻らないと。
寄り道長すぎだし~。

この時代の面白いのは、武将達が
自分の香りを作り、名刺代わりの
ように身につけていたということ!

さすがは、安土桃山!
ビバ・デコラティブ!
南蛮渡来の珍しいものを、今までの
和と足して、足してを楽しむまさに
デコラティブ文化の時代。だって、
あのエリザベスカラーで着物を着て
しまう時代ですよ、皆さん!

着物の柄も、斬新な物が多かったと
先日、帯屋さんに教えて頂きました。
お花を三分割し、色で割ってみたり。
今では思いもつかないような図案に
チャレンジしていたそうです。
面白いなぁ。

だから、安土城は青く、碧く、美しい
お城だったのだろうか、なんて思って
みたり。残っていてほしかった。
燃えていなかったら、信長の調香など
もきちんと残っていたかもしれない
なぁ、とか思う訳です

生死を賭した時代。香りを作っている
時の集中力が、様々なことを忘れる
時間であったり、感性や直感力を磨く
時間でもあったのではなかろうかと
思っています。

そして、唯一、世の中の様々を忘れら
れる時間とでも言いましょうか。
もちろん茶道などでの気分を変えると
いうこともあったと思うのですが、
形のあるものを使用します。それを
使用することで、その空間が新しい
ものへと変化すると思います。

香りは錬金術に近いと私は思っており
まして、無を有に表すと言いますか
ここ、うまく文章が書けておりません。
また、近いうちにこれについては書き
たいと思います。

その後、日本を治める徳川家康の調香
もきちんと残っております。

香り創りは、香りでその人が感じている
世界観を表現します。全く異なる様々な
香原料を一つのものにしていきます。

武将は、そこに、もしかしたら日本を
見て、感じながら調香していたのかも
しれません。

家康の香りの名前は『千年菊方』。
何か、永遠に続く何かを感じていたの
かもしれない、な~んて思ってみたり。

ちなみに、武将達の残り香は、
「あ、誰々さんがいたな」とわかる位
だったそうです。現代の無臭時代だと、
かなり困るかもしれませんが、当時は、
まだ、入浴習慣はない時代。日常で
感じ取る香りの強弱は違います。
しかも、時代はデコラティブ。あり
だったのでしょう。

和の香りって女性が持つ物と思われる
方も多いと思いますが、歴史的に見ても
男性のお洒落アイテムの一つなのです~。

調香次第なのです。香りは一種類では
ありません。億通りになります。

香りで何を表現するのか、なのです。

男女問わず、ギフトに使っても素敵だと
思います。

オリジナルの香りのオーダーも受けて
おりますので、と宣伝も(笑)。

そんなこんなで、もう、すぐに江戸です。

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