和の香りの歴史【弐】にちらと記載を
いたしました『訶梨勒(かりろく)について。
上の写真は、もう4年以上前になるので
しょうか。知人のお母様がお持ちの
訶梨勒(かりろく)を撮影したものです。
部屋に掛けるものを総称して掛香とも
言いますが、訶梨勒はその中の一つ
でもあります。
ただ、ちょっと普通の掛香とは異なる
特徴を持っているのです。
さて、上の訶梨勒の同封説明書きに
よりますると、
「後土御門院の御宇文明年間に足利義政が、
香道の祖・志野宗信に依頼をして調達、
その後、後花上皇に奉進」
(あ、またも端折ってます。。。)
と、あります。
まず、これ、いつ頃かと言いますと、
文明というのが1469年~1491頃。将軍は、
義政から義尚と二代に渡ります。
後土御門院の在位期間は、1464~1499年。
(歴史の資料集で確認したので、大丈夫、な
はず!)
ちなみに応仁の乱は、1467~1477年。
文明年間というのはドンピシャ状態で。
京の町も戦乱に巻き込まれ、かなり荒れ
たのではないでしょうか。
そんな時期に、足利義政好みとして作ら
れた訶梨勒のレプリカの写真なのです。
あぁ、本物ではないですよ~。だとしたら、
布がきれいすぎるし~。
「悪臭を消散し邪気を駆除し毒蟲を殺りくし、
身体を健全にし心身を爽快ならしむ」
という効能も書かれております。スゴイ効能
じゃないですか!しかも、毒蟲を殺りく!
どんだけ除けたのでしょうか・・・。
また、当時は「訶黎勒」「霊絲勒」とも呼んで
いたとあります。
この訶梨勒を吊るす時は、写真では曲げて
いますが、五色の紐は垂れ下げて吊るします。
ここまで読んで、そも訶梨勒って何よ?って
思いますよね。
掛香の一つでもありますので、巨大な匂い袋
を、お部屋に掛けて香りを放つという簡単な
イメージを持ってください。そして、訶梨勒の
場合は、そこに邪気を祓う意味が加わって
くるのです。
そも、なぜ、訶梨勒かというと、インド地方の
木から採れるカリロクの実が使用されている
のと、その見た目の形が、その実の形を模し
ているところがポイントなのです。
このカリロクの実は、水毒を解くということ
から、漢方でも使用されています。鑑真和上
が渡来の際に、漢方薬の調合をもたらしたと
掲載しましたが、これらと一緒に伝わったよう
です。
この毒を解くという効能から、乾した実を部屋
に掛け、邪を除けることが始まり、本物の実
ではなく、その代わりに象牙などでカリロクの
実の形を模して飾ったりもしていたようです。
これ、今は、無理ですね。ワシントン条約に
引っかかります。
香原料としては、どんな香りかと言いますと、
ものすごく強いとか癖があるという香りでは
なく、ただ、何だかわからないけど不思議な
柑橘系の酸味があります。それが清涼感に
繋がったのではないかなって思います。
調香の際にどういう香りとして使用している
のかは、それは申し訳ないのですが、
企業秘密だし、ぜひ、調香の講座にご参加
下さいね。
「それなら、匂い袋をそお部屋に掛けても
いいの?」って思われますよね。
答えは、OKですよ!
ただ、基本は訶梨勒の調香をしているもの
ではなく、普通の匂い袋かと思いますので、
邪除けなどということではなく、単純にお部屋
の香りとしてお好きな場所に置かれるのが
よいと思います。ベッドサイドなどに置いて
おくと、よく眠れる~、目覚めがスッキリする、
など色々なご感想を頂いてます。
もちろん、香原料には虫よけ効果があるもの
もあります。だから、衣装につく虫を除ける
ため、匂い袋は昔から使用されているの
です。
あ、先日、中学時代の同級生の娘さんに
彼氏が出来たらしく・・・。
そういう虫除けには使えないですから~(笑)。
お部屋がステキな香りだと、気分はなんだか
よい感じになりますし、今の時代は除けるとか
ではなく、ご自身のための香り、我が家の
ステキな香りなどの意味でご使用されるで
よいと思います。
それから、衣装回りだけではなく、ビジネス
シーンでも香りは色々と使えますよ。
これは、また次回に!
こんな時はどうなんだ、というご質問など
ございましたら、ご遠慮なくどうぞ!
Music: "Brick's Song(re-rec)" - The Brick's Tone
上の写真は、もう4年以上前になるので
しょうか。知人のお母様がお持ちの
訶梨勒(かりろく)を撮影したものです。
部屋に掛けるものを総称して掛香とも
言いますが、訶梨勒はその中の一つ
でもあります。
ただ、ちょっと普通の掛香とは異なる
特徴を持っているのです。
さて、上の訶梨勒の同封説明書きに
よりますると、
「後土御門院の御宇文明年間に足利義政が、
香道の祖・志野宗信に依頼をして調達、
その後、後花上皇に奉進」
(あ、またも端折ってます。。。)
と、あります。
まず、これ、いつ頃かと言いますと、
文明というのが1469年~1491頃。将軍は、
義政から義尚と二代に渡ります。
後土御門院の在位期間は、1464~1499年。
(歴史の資料集で確認したので、大丈夫、な
はず!)
ちなみに応仁の乱は、1467~1477年。
文明年間というのはドンピシャ状態で。
京の町も戦乱に巻き込まれ、かなり荒れ
たのではないでしょうか。
そんな時期に、足利義政好みとして作ら
れた訶梨勒のレプリカの写真なのです。
あぁ、本物ではないですよ~。だとしたら、
布がきれいすぎるし~。
「悪臭を消散し邪気を駆除し毒蟲を殺りくし、
身体を健全にし心身を爽快ならしむ」
という効能も書かれております。スゴイ効能
じゃないですか!しかも、毒蟲を殺りく!
どんだけ除けたのでしょうか・・・。
また、当時は「訶黎勒」「霊絲勒」とも呼んで
いたとあります。
この訶梨勒を吊るす時は、写真では曲げて
いますが、五色の紐は垂れ下げて吊るします。
ここまで読んで、そも訶梨勒って何よ?って
思いますよね。
掛香の一つでもありますので、巨大な匂い袋
を、お部屋に掛けて香りを放つという簡単な
イメージを持ってください。そして、訶梨勒の
場合は、そこに邪気を祓う意味が加わって
くるのです。
そも、なぜ、訶梨勒かというと、インド地方の
木から採れるカリロクの実が使用されている
のと、その見た目の形が、その実の形を模し
ているところがポイントなのです。
このカリロクの実は、水毒を解くということ
から、漢方でも使用されています。鑑真和上
が渡来の際に、漢方薬の調合をもたらしたと
掲載しましたが、これらと一緒に伝わったよう
です。
この毒を解くという効能から、乾した実を部屋
に掛け、邪を除けることが始まり、本物の実
ではなく、その代わりに象牙などでカリロクの
実の形を模して飾ったりもしていたようです。
これ、今は、無理ですね。ワシントン条約に
引っかかります。
香原料としては、どんな香りかと言いますと、
ものすごく強いとか癖があるという香りでは
なく、ただ、何だかわからないけど不思議な
柑橘系の酸味があります。それが清涼感に
繋がったのではないかなって思います。
調香の際にどういう香りとして使用している
のかは、それは申し訳ないのですが、
企業秘密だし、ぜひ、調香の講座にご参加
下さいね。
「それなら、匂い袋をそお部屋に掛けても
いいの?」って思われますよね。
答えは、OKですよ!
ただ、基本は訶梨勒の調香をしているもの
ではなく、普通の匂い袋かと思いますので、
邪除けなどということではなく、単純にお部屋
の香りとしてお好きな場所に置かれるのが
よいと思います。ベッドサイドなどに置いて
おくと、よく眠れる~、目覚めがスッキリする、
など色々なご感想を頂いてます。
もちろん、香原料には虫よけ効果があるもの
もあります。だから、衣装につく虫を除ける
ため、匂い袋は昔から使用されているの
です。
あ、先日、中学時代の同級生の娘さんに
彼氏が出来たらしく・・・。
そういう虫除けには使えないですから~(笑)。
お部屋がステキな香りだと、気分はなんだか
よい感じになりますし、今の時代は除けるとか
ではなく、ご自身のための香り、我が家の
ステキな香りなどの意味でご使用されるで
よいと思います。
それから、衣装回りだけではなく、ビジネス
シーンでも香りは色々と使えますよ。
これは、また次回に!
こんな時はどうなんだ、というご質問など
ございましたら、ご遠慮なくどうぞ!
Music: "Brick's Song(re-rec)" - The Brick's Tone
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