ありがたいことにチャーミーの爪痕が
ほとんどない状況におりますが、
SNSなどで驚きを隠せないものも
あり、近づいている25号には静かに
なってもらいたいものです。
さて、前回の『塗香に塩???【1】』
の続きです。
そもそも、塗香は何で出来ているのか
と申しますと、
白檀、龍能、丁子、桂皮、大茴香、
山奈、甘松、藿香、零陵香、ウコン。
私は白檀から藿香までは、ほぼ全部
使います。白檀以外は漢方薬でも
使われるものばかりで全て植物。
零陵香とウコンは調香次第で使い
ますが、いずれも極少量しか使い
ません。お線香や練香など加熱、
点火と時はまた別。が、以前、生徒
さんから聞いた話で、とある大きな
本山での塗香の英語説明が「この
粉末はウコンで出来ている」だった
そうで・・・。な、なぜ????ウコン
メインだったら手がまっ黄色になって
しまうじゃないですか~って、講座の
時にひとしきり盛り上がりました。
創る時には、上記の香原料全てが
同量ということはありません。イメージ
を香りにするので、イメージが異なれば
全くバランスも異なります。
通常の香原料である安息香や乳香
などの樹脂系を使わないのは、かぶ
れやすいと言われているため。沈香を
塗香で使われないのは、現代におい
ては価格の問題もありますが、樹脂
だからだろうなと。
塗香の特徴の一つに、
「絶対に使ってはいけない香原料」が
あります。
塗香は僧侶の方が自分の身を浄め
るために使うもの。そのため動物系
の香原料、有名なのは麝香(じゃこう)
ですね、これは絶対に使ってはいけ
ないのです。
なぜ動物系はだめなのかと言えば、
香原料を手に入れるために殺生を
しなくてはいけません。お寺で殺生
はご法度ですからね。子どもの頃、
お墓参りに行く時にお墓では蚊も
殺してはいけないと言われ、足を
バタバタさせながらお参りしたのを
覚えてます。
もし入れたら、殺生したものを直接
身につけることになりますので、
アウト
です。
なので、本物だけで創られている塗香
は、植物由来とかではなく、植物の粉末
だけで創ってますので、ビーガンの方
にも安心して使って頂ける香だと思い
ますよ~。瞑想前とかにいかがでしょう?
ご自身のお好みで麝香を入れた塗香
を創るのは自由なので、全くもって
構わないと思います。ただ、うっかり
間違えて塗香としてお寺では使わない
ようにしてくださいね!
さて、前置きが長くなりました。
タイトルの塗香に塩???。いつに
なったら塩の話が出てくるのだって
いう感じですみません。
以前、知り合いがシェアしていた記事
を見て、これは書かなくてはと思いな
がら、すっかり時間が経ってしまった。
その記事は見えない世界が見える方
が書かれていたもので、お浄めのため
に市販の塗香にお塩を入れて使うと
よいという内容でした。
読みながら、えぇえぇえぇ????だし、
読後になんだかため息が出ちゃいまし
たよ・・・。これでお浄めはパーフェクト
みたいな感じだったので・・・。
本来の塗香は、白檀、丁子他の香原料
をそのまま粉末に、非常に細かい篩に
かけたものを使用して香りを創ります。
オイル類とか合成香料を使いませんよ!
植物そのものの粉末ににお塩を入れ
たらどうなるのかしら???自分の
創っている塗香で実験する気はない
のでしておりませんが・・・。なので、
ゆすらオリジナルの塗香や講座で
創ったことのある方は、絶対にお塩は
入れないでくださいね!!!
そして、この塗香にお塩を入れてる方は、
ある意味では正しい感覚をお持ちの方
なんだなぁと思ったのです。なぜなら市販
で手に入る物には合成香料などが入って
いるのが普通な訳で。
だからこそ、これだけでは効力が足りない
と感じ、浄めで使うお塩と追加投入された
のだろうと思うのです。
はっきりとした言い方をしてしまえば、
浄めの香りが浄めの効力を発揮しない
から、お塩を混ぜ、結局、お塩で浄め
ている状態と言えばよいのかな。
香りが持つ見えない部分を直感的に感じ
られる方なんでしょうね。
きっと今でもお塩を入れてご使用になら
れているんだと思うのですが、本物の
塗香に出会えることを祈るばかり。
本来の塗香はさらさらのパウダー状。
粗塩が入ることでざらざらになり、つけ
心地はかなり残念なはず・・・。どうせなら
気持ちよく使って頂きたいものです。
仏教では香りが浄め。お水を使うと
ころも一部ありますが、お塩は使わ
ないはずなのに、なら、お葬式の帰り
のお塩って一体なんなんだって思い
ますよね?これもある意味の神仏習合
なのでしょうか?塗香よりもお塩の方が
安いし手に入りやすかったから、お塩を
お渡しするようになったんだろうなぁって。
今ではついてくるお塩も粗塩ではなく、
あじ塩みたいなのだから本当の浄め
になっているのかどうなのかは微妙!
な気もいたします。お気持ちですね。
なので、見えない世界とかあまり気に
されない方は、お好きな香りの塗香を
選んでご使用頂くで、なんの問題も
ありませんよ!好きな香りの方が
ストレスにもなりませんし。
ただ、少しでもちょっと強すぎるかな
とか思われたら、他のを試してみたり、
探してみたりして頂けたらなと思います。
私は香りが選べないこと自体が古の頃の
自分の香りを創っていた頃のと違って
おかしいぞと思っているので、香りは
選べるように揃えております。この香り
しかないということはないのです。ぜひ、
ゆすらにご相談ください!!
お寺で売られているから大丈夫と
思われるのもちょっと微妙。お線香
にあれだけ合成香料が使われている
物が普通に売られている訳ですから。
伽羅のお線香を「石鹸の香り」という
説明で販売されているのには絶句
でしたし。セージが流行った背景には
こういうのもあるのかな。
出展している時に、他店に行ったけど
どうしようもなくて、こちらにあるかしら
と思ってたまたま来たというお客様が
いらして、お試しの上、お買い上げを
頂いたこともあります。
大量生産の物は、様々な物を見ても
おわかり頂けるのではないかと思い
ますが、品質管理の都合上、100%
自然の物だけというのは無理な話
だし、香りで使うものの中には非常に
貴重で高価なものも多いから、現代
においては合成香料を使わざるを
えない状況でもあるし、全くのゼロ
というのは無理ですし。だからこそ
使ってますって言ってくれればと
思うのです。これはまた、改めて。
本物だけで、しかも香原料の質が
よいもので創れば本当に香り自体
が違うし、効力自体も違うと私は
思っておりまます。そこに創り手の
エネルギーがどう加わっていくか。
そもそも効力がなかったら、その昔
にも使われなかったと思うのです。
香り自体が持つ力の一つにそういう
部分があるからこそ、古の頃から使わ
れている自然のものだけにこだわって
います。本物だけの香りのよさを
知って頂きたいし、昔の人が香りでの
表現を始めたことがいかにとんでも
なくすごいことなのかを、そして、
その自由な感覚は誰にでもあること
なんだと、香りを通じて感じてもらい
たいことは沢山あるのですが、これ
もまた、別の記事で。
もっと詳しく塗香について知りたい方は、
出展の際にお越し頂くか、ぜひとも講座
にお越しください!講座は随時、受け付け
ております。問い合わせフォームより
ご連絡頂けたらと思います。
今回のもとりとめなく長くなりました。
随分と前に、まだアメブロで書いていた
頃、塗香についても書いてました。
2009年1月15日の投稿。なんか読み返し
たらまとまりがないわぁ。これもですね(笑)
塗香に塩???【1】はこちらhttps://wanoka-sinkokyu.blogspot.com/2018/09/blog-post_27.html
あっという間に10月。2018年も残り3か月。
頑張っていきましょう~!!!
ゆらすかおり 今井麻美子が綴る香りの記憶。それは、香木・沈香、白檀と漢方薬でも使用される香原料で創る物語。 香りを創ることを、五感で感じイメージし、表現する一つのアートと考え活動しています。そんな中での発見やつぶやき、活動のお知らせなどのブログです。
2018年10月1日月曜日
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