2022年2月13日日曜日

【ASHITA 日月香】制作裏話

香と音のASHITAシリーズの根源にあるのは、自由。
香と音は用意しますが、それをどう使うのか、どう楽しむのかは、使う人次第。こういう使い方をしてください、という作法や約束もなく。

平安期、香りを創ることが文化になった背景には、当時の日本人が柔軟で繊細でかつ自由な精神性を持っていたからだと、私は思っています。だって、仏教で使っていた香りが遊びになったんですよ!今だったらすぐに、けしから~ん!ってSNSとかで書かれてしまうのかな(笑)。

とは言いつつも、当時は仏教で使う香りは煙を出し、それ以外の日常で使うものは煙を出さないという大別がありました。線香も江戸時代が始まるか始まらないかの1575年から使われるようになってるので、煙を出すのは、いわゆる焼香を思い描いてくださいね。
また、衣装や文に香りを移すのは練香(ねりこう)という源氏物語にも出てくる温めて香りを出すものを使用していました。その他は匂い袋。この頃は文香はないですよ!便箋封筒は使ってませんからね!!あと、自分で創った香りを使ってます。
香りを創るということが出来ると言うのも鑑真和上がきっかけと言われていますので、いずれにしても仏教とは切ってきれないところにあると思います。

話を戻します。そんな自由な思考を誰もがしていたのに、今はなかなかどうだろと思い、また、私は和の香りはアートであると考えているので、ASHITAは新しいチャレンジであり、使う人一人一人の、個々の表現でもある作品なのです。

自分の時間を今までとは違う思考、または何も考えず、香と音と一緒に、あなたの時間と空間を楽しく過ごしてもらうためのもの。
なので、使い方に正解がないのです。
作法とかもないです。お寺で使われているお香や香道では、もちろん約束ごとはありますが、ASHITAは現代アート。
使う人自身が感じ、生み出していく時間そのものが、使い方の正解になるのかもしれません。

香りと音を楽しみながら、自由の新しい扉を開けてもらえたらなって思っています。

前作ASHITA Iは堀込美穂さんにピアノ曲をお願いしました。今回の音は、寺社フェス向源や暗闇の中の世界を聞くなど、様々なイベントでご一緒させて頂いている友光雅臣さんにmixをお願いしました。

友光さんのプロフィールはこちら↓

友光雅臣 DJ/天台宗僧侶/寺社フェス[向源]主催
アメリカのBurning Man、グアテマラのCosmicConvergenceといった海外の大型フェスでプレイ。クラブやフェスでのDJを主としつつ、エステの施術やレストランのコース料理に合わせた音源制作や、Plug and play Japanなどのピッチイベント、ビジネスイベントを盛り上げるDJもおこなう。
また天台宗僧侶としてのキャリアを組み合わせ、座禅指導をしながら曲をつなぐDJ×座禅など、繊細で優しい音楽を届けます。

Twitter  https://twitter.com/djtomomitsu
Instagram  https://www.instagram.com/djtomomitsu/
Facebook  https://www.facebook.com/masaomi.tomomitsu/
Soundcloud https://soundcloud.com/tomomitsu


さて、なぜ日月香なのかというと、それは、神がネ申なのと同じです(笑)。明日を表す
言葉って明日以外に何かないかなって考えた結果の日月香。だから、日月香は明日の香り。
陰陽ともいうかもしれませんが。星なのかもしれませんが。明日を表しています。

香りを考える時に思ったのは、ASHITA Iの時のようなキラキラした明るい未来、未来は僕らの手の中にという感じではなく。

日月香の方は、
未来は常に明るい
でも
混沌としている中、
日々は、闇の先の明るさ
闇の中にいる訳でもなく
開くのは自分
アマテラスは自分で岩を開く
強さとしなやかさ

強さにはビッグバン的な何かを
はらんでいるエネルギーというか、
でも、しなやかな強さなので、
これみよがしではない、さらっとした。

創香ノートが過去の分から何冊もありまして。香りを考える時、そこに色々と言葉や文を
書いて、それから何をどれだけ入れるというのを落とし込んでいくのですが、そのノートに
書いていたのがこんな内容。
そもそも、アマテラスが出てきたのもなぜなのかはわからないのですが、イメージを
考えてる時はそんなもので。岩戸は隙間とは言え、自ら開けた訳で、きっかけは本人
だからかな。 
あ、私はムー民ですが、スピ系ではないので!(笑)

送って頂いたmixを聞いて、あぁ、なんかとてもいいなぁ、ジャストな感じ!!って思いながら、音質確認した後、しばし放置。

聞き直す前に出てきたのが、今、↑で書いたこと。実際に香りを具体的に考え、創香した
結果、沈香ベースに肚の座った、落ち着きのあるけど、空の高さがあるようなクリアで、軽やかさのある香りとなっています。



極端なことを言うと、お香を薫きながら食事をしてても気にならない香りです。うちの香りは合成香料やオイルなど一切使用していないので、大体どれも食事中の使用OKですけどね(笑)。

ASHITA日月香に同封する友光さんからのメッセージが、私が説明するよりも断然素敵な言葉になっています。このあたりは、ほんとさすがだわ~!

[日月香]をお楽しみいただく皆様へ
今回はデータをお渡しする形で、聴いていただく状況、音量があなた次第だからこそ対面でのプレイと違った受け止めの可能性があると思っています。

僕なりに74分間に思いと景色と感情を注ぎ込みました。だけど、意図を汲み取ってもらいたいわけじゃなくて、あなたなりに受け止めてもらいたくて作りました。

お香の手触り、香りの奥行き、煙のゆらぎ、音の移り変わり。そこから生まれるイマジネーションをどうぞ楽しんでください。僕と、今井先生と、あなたのイメージの競演です。どうぞごゆっくり。今日のあなたの感覚を大切に。

ほ~、ありがとうございます!

自分自身の中の自由を感じる時間のために、ぜひ、ASHITAシリーズをお手元に!!
SHOPはこちら
香と音
ASHITA 日月香
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