2013年8月4日日曜日

「毒」の香り 雲助五拾三次ー惨劇ーより

2013年8月2日(金)
らくご街道 雲助五拾三次-惨劇- 
緑林門松竹より『新助市』『おすわ殺し』

雲助月極十番から生まれた
雲助師匠の香り『雲』に加え、
らくご街道雲助五拾三次では香りも
五拾三次に同行させて頂き、毎回、
噺の香りを創っていきます。
この噺の香りのコンセプトを毎回、
アップしていきたいと思います。
極力、・・・、ですが。

先日の緑林門松竹より
『新助市』『おすわ殺し』では、
譽毒=毒砂を使用する場面が出てきます。

今回はこの「毒」をテーマに創香。
「毒」と言ったら、どんな感じの香りを
想像されますか?既に某外資化粧品
ブランドで販売されているものの印象が
強いかもしれませんね。

さて、この譽毒、砒素系のようで、本来の
大きな塊の状態は臭く、にんにく臭に近い
感じがするらしく。これをそのまま香りに
しては色気がありません。それに、毒という
ことがわかってしまっては、殺人事件には
ならないよなぁ、とか思ったり。

では、どんなものであれば、相手に気づ
かれずに殺れるのか・・・。

噺の舞台でもある江戸時代。薬は漢方で
「良薬は口に苦し」です。

あ、この言葉を聞いて、としちゃんと
きんどーさんのやりとりを思い出す方
いらっしゃいましたら、拍手~。

では、その逆を考えてみたら、どうなる
のだろうかと。甘い香りの代表格である
丁子は、江戸時代には大流行。人々は
こぞってあの南国フルーツが持つような
甘い香りを楽しんでいたに違いないのです。
吉原の遊女は、丁子油を体に塗っていたり
もしてました。

そんな香りが毒だったとしたら、きっと
香りの甘さに騙されて気付かないのでは?

今回、色々と毒について調べてみて、
えぇ、何か悪いことを企んでいる訳では
決してありませんから。生き物の中でも、
毒を持ってる派手なのは危険信号を発して
いると言いますが、それは、本当は毒を
使うつもりはないけど、もし近づいて
きたら使っちゃうからね、って先に宣言
してくれているんですよね。

でも、人間を殺せる位の毒を持っている
のに海の中で石みたいに知らん顔で
じっとしているオニダルマオコゼみたい
のは、いつだってホントに殺る気の塊
なんだなって思ったのです。

多分、本物の毒というのは、
そういうことなのかもしれません。
本来の姿を見せることはしない・・・。

こわい~。

こんな試行錯誤から緑林門松竹より
『新助市』『おすわ殺し』での毒の
香りは、とっても甘い、それは毒とは
思えない香りとなりました。

多分、間違えて飲んじゃうと思いますよ、
こんな香りの飲み物があったら、って
感じです。

お休みの際、枕元でご使用になられると、
その甘さで深い深い眠りに誘われること
でしょう。

でも、夢の中で噺のような惨劇が起きて
しまうかどうかはわかりませ~ん!(笑)。

素敵な夢を!

music:'different gear, still speeding' -BEADY EYE

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