2016年12月15日木曜日

満月の空 雅楽盤渉調の香り【弐】

【壱】からの続きです。

4つの香りですが。
の空の満月が、美しい音によって
段々と変わっていくのをイメージして
創っていきました。

奏者の皆様が音を奏でながら登場。
演奏中は香りも必死なので、写真が
ないのです。
こちらのお写真はこの姫の装束で
演奏された中村華子さんのお友達が
撮影されたもの。













〇奏者入場前~入場~『朗詠 嘉辰』
冬の凍てつく夜空で冴え冴えとした
白い輝きを放つ満月。少々辛めの香りで
すっきり厳しい香り。
 
〇『盤渉調調子』~『青海波』
月が少しずつ奏でられる音によって
柔らかく輝き出すイメージで、1つ目の
香りよりも柔らかく、甘さを感じる香り。
 
〇『蘇合香』
インドのアショカ王がこの薬によって
病が治ったという記述が残っている
そうです。香原料としては樹脂系で
あるのですが、これをそのまま飲ま
せた訳でもないと思いますし。私は
当時から使われているものとは
思えない、科学的な匂いのするもの
を見たことがあります。
 
そも、どんな病だったのだろうかと
考えました。本当に病気の体を
治した妙薬なのであらば、薬として
きちんと伝えられるのではなかろう
かと。なので、体を治したというより、
メンタル的な部分などもあったのでは
ないかなと思ったり。または媚薬的な
感じでしょうか。昔はお世継ぎいな
かったら大変でしたからね。この
あたり、現代の考え方で見ては
いけないところかなと。
 
ただ、唐の時代、この薬を作る際、
伶人がかたわらで演奏した所以から
曲名を蘇合香にしたという説もある
そうで、音楽を聞いて生まれてくる
薬というのは、とてもいいですね。
なんだかとても効きそうです。

蘇って合うという意味をどう捉えるか
で、この薬のイメージも大きく変わる
かなと。
 
そんなことを考えつつ、この曲では
音とともに満月を楽しんでいる三人
の女神降臨なイメージで、その女神
とともに乳白色輝く月。すっきりさの
ある中にも美しく軽やか甘さの香り
にまとめてます。

〇休憩後『香りのお話』
次の曲の前に香りにまつわる色々な
お話をさせて頂きました。本当は
もっと喋りたいんですけどね(笑)。
和の香りのバランスの考え方はじめ、
ブログでも書いていきます。

〇『越天楽』 
月は美しくどこまでも輝き、それは
落ち着いた深い海の中で静かに
輝くかのような月の輝き。
こんなイメージで華やかさのある
香りにしております。

目白庭園には初めて伺ったのですが、
ブログで記事を書く際にサイトを拝見
したらお庭に池があり、うまい具合に
この海の中のイメージともリンクする
ので、サイトを見ながら、よっしゃ~と
心の中でガッツポーズ(笑)。

香りを楽しみに来られたという方も
いらっしゃり、本当に嬉しく思って
おります。ありがとうございます!

何やら風の噂によると、四季での
開催があるやもらしく~。今回、
ご都合が合わなかった方も、次回は
ぜひ!本当に素敵な時間を過ごして
頂けます。

最後の香りが一番よかったと仰って
帰られる方も多く、曲とともに月も
さらに美しくなっていったのを感じて
頂けたのかなぁと思っております。
また、香りの評判もとてもよく。
香りはなくてもいいものなのかも
しれませんが、あるとその空間は
一気に変化をしていきます。空間に
奥行が出る、奏者との距離が香りで
近くなったなど感じて頂けていたり、
創り手として、香りで演出するもの
として、心から嬉しいです。
さらに精進してまいります!!!

そんな空間創りの一端を担わせて
くださった奏者である『中村さんち
の美しき3名の奏者の
中村仁美さん、香奈子さん、華子さん
主催の香風舎さん、お手伝いの
皆様、ありがとうございました。

満月の余韻に浸りつつも、22日~
月末までの催事準備に追われる
日々となりそうです。

皆様、体調にはどうぞお気をつけて
くださいね~! 

『中村さんち』のFacebookページでも
素敵な写真がチェックできますので、
ぜひ、アクセスしてみてくださいね!
https://www.facebook.com/nakamurasanchi/

0 件のコメント:

コメントを投稿

第12回 香りの彩時記【 香進】が始まりました!

パレスサイドビル1Fの毎日文化センターの近くを歩いていると、何となく感じられるいい匂いの季節になりました。 今年も毎日文化センター和の香り講座の受講生による作品展が始まりました。 今回の参加者は2名ですが、それぞれの作品への思いが見えてきます。 作品展タイトルの「香進(こうしん)...